作業日:2025年11月2日(日)
走行距離:63097.5 Mile
私のFZ750は、1994年(平成6年)に1回目の構造変更の時にFZR750から移植したアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を30年以上使っていました。
というのも、FZR750のアクセルワイヤー(品番:2NK-26311-00)は廃盤のため代替のアクセルワイヤーが入手できないことが原因でした。
先月重い腰を上げて、自宅に長期保存されていたFZR1000(1987年式 2GH)のアクセルワイヤーを加工して取り付けましたが、取り回し悪かったため、スロットル付近でアウターワイヤーが折れて破損してしまいました。
今回でアクセルワイヤーの問題は解決させようと思います。

アクセルワイヤーについての検討
流用したFZR1000のアクセルワイヤーは、アウターの長さがFZ750純正よりも短くケーブルの取り回しに無理があったため、アウターワイヤーが折れて破損しました。
FZ750のアクセルワイヤー(品番:1AE-26311-00)は既に廃盤、代替品のハリケーン製スロットルケーブル(品番:HB4308)長期欠品のため、入手できませんでした。
そこで、FZ750よりももう少し長そうなFZX750(1998年式 3XF5)のアクセルワイヤーを流用することにしました。
今回調達したパーツ
こちらが今回調達したアクセルワイヤーに関わるパーツです。
2番目のパーツ(品番:1VJ-14462-00)は同時に調達したエアクリーナーのボックスのシールなので、アクセルワイヤーとは関わりありません。本日の作業後半に使用します。
| 部品番号 | 部品名称 | 単価(税込) | 数量 | 備考 |
| 1UF-26311-10 | ケーブル,スロツトル 1 | 2,838円 | 1 | ヤマハ純正部品 FZX750(3XF5) |
| 1VJ-14462-00 | シール | 891円 | 1 | ヤマハ純正部品 |
| 1060010 | スロットルワイヤー用 タイコ&ヘキサ | 478円 | 1 | ACTIVE製 汎用備品 |

アクセルワイヤーの加工
FZX750(1998年式 3XF5)のアクセルワイヤーを確認して参ります。
スロットル側の金具の形状もFZ750と同じです。(但し、材質はプラでした)
スロットル側のタイコサイズはφ6x4mmと同じです。
キャブレター側は切落しますが、タイコサイズはφ6x10mmと同じです。
アウターとインナーの長さは、FZ750に流用するには十分な長さであることが分かりました。
| 車種 | アウターワイヤーの長さ | インナーワイヤーの長さ |
| FZ750(1FM) | 665mm *1 | 不明 |
| FZR750(2LM) | 630mm | 130mm |
| FZX750(3XF5) | 770mm | 113mm |
*1 ハリケーン(大阪単車用品工業株式会社)のFZ750の製品一覧より引用
私のFZ750もハンドルなど微妙に純正とは異なるので、実車合わせて計測しました。
アウターワイヤーは685mmが適切のようなので、85mmカットすることにしました。
アウターワイヤーの保護チューブは、アウターワイヤーよりも短く切り取ります。
パイプカッターで軽く切り目を入れてから、、、

保護チューブだけをカッターナイフで切断します。

FZX750(1998年式 3XF5)のアクセルワイヤーからインナーワイヤーを取り外して、アウターワイヤーの切断箇所にマスキングテープで目印を付けます。

アウターワイヤーはニッパで切断して、切断面を整えます。
以下の写真はナイロンスリーブの潰れを修正したところです。この後、アウターワイヤーのカット面をもう少しなだらかにやすりで整えました。
ワイヤーのアウターエンドキャップは、適切なものを探せなかったので、省略します。

次は、インナーワイヤーを通して、こちらのタイコを取付けます。タイコのサイズはφ6x7mm、イモネジで固定するタイプです。
これまで使用してきたFZR750のインナーワイヤーは130mmでした。もう少し遊びが欲しかったので、5mm長い135mmのところにタイコを付けました。

タイコの先のワイヤーを切断したら、タイコの先のワイヤーははんだが入るように少し広げておきます。

ステンレスのはんだ付けには、電子工作用のはんだこてよりも消費電力の高いはんだこてが必要です。今回も白光のダイヤル式温度制御はんだこて(50W)を使用します。
ワイヤーとタイコをはんだの固定には、ステンレス用のはんだとフラックスが必須です。
ステンレス用のフラックスをタイコに適量垂らします。

はんだ付けは、ワイヤーの先端に少しはんだが浸みるぐらいが丁度良いです。

少しはんだが浸みたワイヤーの先端は、なだらかになるように削ります。

アクセルワイヤーを車体に取付ける前に、ワイヤーインジェクターで注油しておきます。
私はワイヤーオイルではなく、油切れしにくいチェーンオイルがお好みです。

アクセルワイヤーの取付け
加工したFZX750(3XF5)のアクセルワイヤーをFZ750に取付けます。
FZ750のサービスマニュアルに準拠したワイヤーの取り回しで取り付けました。
作業前のアクセルワイヤーの取り回し
FZR750のアクセルワイヤーは短かったので、ピンクでマーキングした経路(フレーム右側からキャブレター)に取りまわしていました。
そのため、アクセルワイヤーがメーターパネルに干渉した際にスロットル付近でアウターワイヤーが破損したと思われます。


作業後のアクセルワイヤーの取り回し
加工したFZX750(3XF5)のアクセルワイヤーは緑でマーキングした経路(フロントカウルステーの上部にあるアクセルワイヤーの経路を通してから、フレーム左側からキャブレター)に取りまわしました。


横からみても、アクセルワイヤーはなだらかな弧を描くような取り回しです。
ハンドルを左右に切っても、他の部品には干渉は無かったので、これでよいと思います。

ついで作業1(冷却水リザーバータンクの清掃とホース交換)
ラジエターキャップ付近から冷却水のリザーバータンクまでのホースも新しいシリコンホースと取り替えました。(前の写真に新しいホースが写っています。)
そのついでに、冷却水リザーバータンクの外側と内側も掃除しました。100均で購入した排水管掃除ブラシを折り曲げると、リザーバータンクの内側の隅々まで擦ることができました。
外側も内側も清掃できましたが、樹脂の変色はどうにもなりませんね。

ついで作業2(エアクリーナーボックスのふたのシール交換)
エアクリーナーボックスの上部にある「ふた」のシールがきちんと取り付けられていない状態で固定してしまったため、シールの一部が変形していたのです。
今回の作業に合わせて新しいシール(品番:1VJ-14462-00)を購入したので、交換します。

いままでのシール(品番:1AE-14452-00)は、円形のシールでしたが、今回届いたシール(品番:1VJ-14462-00)は、紐のような形状でした。
このシールはとても長かったので半分ぐらいあまりました。

今日の作業はここで終了です。
FZR1000のアクセルワイヤー加工、その後の破損などの記事はこちらをご覧ください。






