250ccを越えるオートバイは、新車を購入後の初回は3年後、それ以降は2年ごとの車検(継続検査)が義務づけられています。車検はバイク屋さんに依頼するケースが多いかと思いますが、自ら検査場(運輸局・陸運支局など)に持ち込んで検査をうける「ユーザー車検」という方法もあります。
私は学生の頃から自分のバイクはユーザー車検を受けてきました。構造変更も含めて何度も受けていますが、それでも抜けがないように記事にまとめます。これから車検に挑戦しようという方の参考になれば幸いです。
※この記事は2023年3月に公開し、2026年7月に最新の制度へ更新しています。
2025年〜2026年の主な制度改正(更新情報)

本記事の公開後、ユーザー車検に関わる制度がいくつか変更されました。以前にこの記事を読まれた方は、まず以下の3点をご確認ください。
- 2025年4月より、車検を受けられる期間が「有効期間満了日の1ヶ月前」から「2ヶ月前」に拡大されました。
- 2025年4月より、250ccを超える二輪車も軽JNKS(軽自動車税納付確認システム)の対象となり、車検時の軽自動車税納税証明書の提示が原則不要になりました。
- 自賠責保険料は当面据え置きですが、2026年11月から引き上げられる方針が示されています。
ユーザー車検のメリットとデメリット
では、ユーザー車検とメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット
1.車検費用が抑えられる
オートバイの整備を自分で行う場合に車検にかかる費用は、法定費用(自賠責保険料、自動車重量税、検査登録印紙、審査証紙など)程度で済みます。
2.車検に要する時間が短い
検査場での車検は、車体に問題がなければ、書類の記載から実際の検査、新しい車検証の交付まで半日程度です。慣れれば1時間から2時間程度で終了するので、バイク屋さんなどにお願いするよりも早いです。
デメリット
1.平日日中の時間調整が必要
車検は平日日中しか行っていません。平日日中の時間調整ができる方に限られます。車検は検査場(運輸局・陸運支局など)で行います。検査場が遠方の場合は大変です。
かかる費用と時間の目安(先に結論)
詳しい内訳は記事の最後にまとめていますが、まずは全体像をお伝えします。登録後18年以上が経過した私のFZ750の場合、ユーザー車検の総費用は約19,060円(2025年3月時点・予備車検場の費用を含む)でした。所要時間は、書類の準備が整っていれば検査場での手続きはおおむね半日以内です。
「とにかく費用と時間の目安だけ知りたい」という方は、まずこの数字を目安にしてください。
定期点検整備
車検時期を迎えるオートバイは定期点検時期(法定点検である24ヶ月点検)です。自動車点検基準に基づき点検・整備を実施します。自分でできない項目は、バイク屋さんに依頼してください。
最近の大手オートバイ用品量販店では、分解整備記録を発行する法定点検を実施しているところもありますので、上手に活用するのもよろしいかと思います。
たとえば大手用品店の「2りんかん」では、ユーザー車検を見据えた24ヶ月点検(法定点検)を受け付けており、点検後には分解整備記録簿を発行してもらえます。自分では点検しきれない項目だけをプロに診てもらう、といった使い方もできますね。詳しい点検内容や料金は、2りんかんの法定点検ページをご確認ください。

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必要書類の準備
ユーザー車検の必要な以下の書類を準備します。
車検を受ける日程を考えながら、少し早めの準備がよいです。
・自動車検査証(車検証)
・自動車検査証記録事項
・自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険)新旧2枚
・定期点検整備記録簿
・軽自動車税納税証明書(※2025年4月より原則不要。詳しくは後述します)
自動車検査証(車検証)、自動車検査証記録事項
自動車検査証という名称ですが、一般的に車検証とよばれる書類です。通常はオートバイのシート下などに格納されていると思います。
2023年(令和5年)1月4日以降に交付される自動車検査証は電子車検証に順次切り替わりました。以前よりも小型のA6サイズの厚紙にICタグが貼付されています。

電子車検証の券面には車検の有効期間満了日や所有者の住所、氏名などの情報が記載されていません。別に自動車検査証記録事項という書類が併せて発行されます。

自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険)新旧2枚
継続検査の場合、次回の車検まで有効となる自動車損害賠償責任保険(2年=24ヶ月)に加入します。現時点で有効な保険証(左)と、次回の車検まで有効な保険証(右)を準備します。
車検が切れている場合は、次回の車検+1ヶ月まで有効となる自動車損害賠償責任保険(25ヶ月)に加入します。

軽自動車税納税証明書(2025年4月より原則不要になりました)
かつてはオートバイの継続検査では軽自動車税納税証明書(継続検査用)の提示が必要でした。しかし、軽JNKS(軽自動車税納付確認システム)の対象が拡大し、2025年(令和7年)4月より、排気量250ccを超える二輪車についても、車検時の納税証明書の提示が原則不要となりました。検査場・運輸支局が納付状況をオンラインで確認できるようになったためです。
ただし、以下のような場合は、納付情報が軽JNKSに反映されるまでに日数(おおむね1〜2週間程度)を要するため、従来どおり紙の納税証明書が必要になることがあります。心配な場合は、念のため用意しておくと安心です。
- 軽自動車税を納付した直後に車検を受ける場合
- 中古で購入した直後など、名義変更や転入の直後の場合
納税証明書が必要になった場合や紛失した場合は、お住まいの市区町村の役所で手続きを行ってください。なお、自動車税は都道府県税、軽自動車税は市区町村税です。

定期点検整備記録簿

車検後に点検整備する場合は、定期点検整備記録簿はなくても車検を受けることは可能です。その場合、車検証に「点検記録簿なし」と記載がされます。
定期点検を行った内容を記録するための用紙のことです。車両購入時に付いていた定期点検整備記録簿を利用することや、整備振興会などで購入することも可能ですが、Webで公開されているフォーマットを利用しても問題ありません。
自動車点検基準等の一部改正に伴い、平成19年(2007年)4月より、二輪自動車は別表第7に変更となりました。別表第5に項目を追加することでも使用できますが、新しいフォーマットをお勧めします。

検査場の検討と予約
ユーザー車検を受ける場合、自動車検査インターネット予約システムから予約を行います。本日を含む14日(開庁日のみ)先までの予約が可能です。
2025年4月の制度改正により、車検を受けられる期間が「有効期間満了日の2ヶ月前」(沖縄本島を除く離島の場合はさらに前)から満了日までに拡大されました。この期間内に車検を受けて合格すると、次回の有効期間満了日は、これまでの満了日の2年後の日付になります。それよりも前に車検を受けると、車検に合格した日の2年後となり、残りの有効期間を損してしまいます。
例)2026年3月15日が車検の有効期間満了日の場合
- ◎ 2026年2月1日(満了日の2ヶ月前以内)に車検を受けて合格すると…2028年3月15日が次の有効期間満了日になります。
- △ 2025年12月1日(満了日の2ヶ月より前)に車検を受けて合格すると…2027年12月1日が次の有効期間満了日となり、前倒しになってしまいます。
継続検査は全国のどこの検査場でも受けることができますので、都合のよい日程が予約できない場合は、予約が可能な検査場を選ぶこともできます。
予約が完了するとメールで予約完了の連絡が届きます。そのメールに記載されている予約番号は、車検当日に作成する書類「自動車検査票1」に記載しますので、メールは保存しておいてください。
外部リンク)
自動車検査インターネット予約システム
車検当日
車検当日は、時間に余裕をもって、予約をした検査場(運輸局・陸運支局など)に参りましょう。ここからは、品川ナンバーを管轄する東京運輸支局を例に説明いたします。

予備車検場(必要に応じて)
車検の検査項目である光軸検査は、かなりシビアです。専用の機械で測定しながらでないと調整は不可能ですので、車検の前に予備車検場(テスター屋さん)で調整してもらうことも一案です。

こちらは、東京運輸支局の向かいにある 株式会社早川自動車整備工場さん です。費用はオートバイのライト調整(2灯式)で3,500円(税込)でした(※2025年3月時点の金額です)。
光軸だけでなく、車検に関するさまざまなことについて相談に乗っていただけます。ユーザー車検の力強い味方です。
東京運輸支局(品川陸運局)
多くの検査場には案内図がありますので、ユーザー車検の流れを確認しましょう。
東京運輸支局のユーザー車検は以下のようになります。
C棟(印紙購入)→ A棟2階❼(受付)→ 検査コース → A棟2階❻(新車検証交付)

ユーザー車検:C棟(印紙購入)→ A棟2階❼(受付)→ 検査コース → A棟2階❻(新車検証交付)
印紙購入
C棟(ナンバーセンター品川)で印紙を購入です。
14番窓口では、車検証などを見せて「自動二輪 継続審査」と申せば適切な印紙が購入できます。


私のFZ750の場合は、印紙費用は以下のとおりです。
| 項目 | 税込費用 |
| 検査登録印紙 | 500円 |
| 審査証紙 | 1,300円 |
| 重量税印紙(登録後 18年以上) | 5,000円 |
| 合計 | 6,800円 |
補足事項)
自動車重量税は、登録後の年数で以下のようになります。
| 登録後 12年目まで自動車重量税 | 1,900円/年 |
| 登録後 13~17年目まで自動車重量税 | 2,300円/年 |
| 登録後 18年以上自動車重量税 | 2,500円/年 |
用紙記載
「自動車検査自動受付システム」というシステムで車検証のQRコードを読み込ませると、一部項目が記載された用紙(継続審査申請書、自動車検査票、自動車重量税納付書)のプリントアウトが可能です。
従来の未記載資料も配布されております。継続審査申請書、自動車検査票、自動車重量税納付書の3種類を記入して印紙を貼ります。
継続検査申請書(専用3号様式)

自動車検査票1(様式1)

重量税納付書(第1号様式)

ユーザー車検の受付
ここまでに準備した書類をバインダーなどで束ねて、窓口に提出します。
・継続検査申請書
・自動車検査票1
・重量税納付書
・自動車検査証(車検証)
・自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険)新旧2枚
・定期点検整備記録簿
・軽自動車税納税証明書(必要な場合のみ。原則不要です)
東京運輸支局の場合は、A棟2階7の窓口に提出します。

書類に不備などがなければ、窓口の係員の指示に従って、車体を検査コースに持ち込みます。
検査コース
検査コースの入口でバイクを止めます。
ここからは検査場の係員の指示に従って検査を受けてください。
東京運輸支局の場合は建物に入る前に、外観確認、灯火類(ライト、ウインカー、ブレーキランプ)の確認、ホーン確認、ボルトやナットの緩み確認などを検査が行われます。建物を入ったところで、マフラーの音量検査や排ガス検査などの検査が行われます。

建物内部では、テスターを用いて、前後ブレーキ、スピードメーター、光軸の試験が行われます。持ち込むバイクのスピードメーターが前輪と後輪のどちらで計測しているか、あらかじめ確認しておくとスムーズに試験が受けられます。
・スピードメーターはデフォルトが「後輪検出」です。FZ750のように前輪にスピードメーターのワイヤーが付いているバイクは「前輪検出」を選択します。
・ヘッドライトはデフォルトが1灯式です。2灯の場合は「2灯式」を選択します。FZ750のように一つのライトユニットの2灯は1灯でよいとのことですが、検査員に確認したほうが無難です。

※この写真は検査員の方の許可を頂いた上で撮影を行いました。
テスター上では、両足でバイクをおさえつつ、足のボタンを押したり離したりの操作が必要です。転倒の危険性もありますので、十分に注意してください。

※この写真は建物外から望遠で撮影しました。
すべての検査が問題なければ、自動車検査票1の検査結果通知欄の「適合」に押印されます。これで車検は合格です。

新しい車検証と検査標章の交付
書類一式を窓口に提出します。東京運輸支局の場合は、A棟2階6の窓口に提出します。

新しい自動車検査証(車検証)と自動車検査証記録事項、検査標章(車検シール)が交付されますので受け取ります。内容に相違が無いかその場で確認します。

2023年1月4日より、車検証が電子化(ICタグ付き)され小さくなりました。新しい車検証は、記載内容に変更がない限り繰り返し使用するものとなります。有効期限などは記載されませんので、「自動車検査証記録事項」を合わせて保管する必要があります。
では最後に、検査標章(車検シール)を張り替えたら、すべての作業は終了です。
検査標章の貼り方は、裏面に記載されていますので、よく読んで貼りましょう。

ユーザー車検の総費用
登録後18年以上経過した私のFZ750のユーザー車検の総費用は、以下のとおりです(2025年3月時点)。利用する予備車検場や車両の登録年数によっても金額は異なりますので、あくまで参考とお考えください。
| 区分 | 項目 | 税込費用 | 備考 |
| 自賠責保険 | 小型二輪自動車 | 8,760円 | 24ヶ月 |
| 予備車検場 | オートバイライト調整(2灯式) | 3,500円 | ※予備車検場ごとに費用は変わります |
| 印紙等 | 検査登録印紙 | 500円 | |
| 印紙等 | 審査証紙 | 1,300円 | |
| 印紙等 | 重量税印紙 | 5,000円 | 登録後 18年以上 2,500円×2年 |
| 合計 | 19,060円 |
登録からの年数が経過していない新しいオートバイならばもっと費用は下がります。
| 登録後 12年目までの自動車重量税 | 1,900円/年 |
| 登録後 13~17年目までの自動車重量税 | 2,300円/年 |
| 登録後 18年以上の自動車重量税 | 2,500円/年 |
なお、自賠責保険料は2023年度以降据え置きで推移していますが、2026年11月から引き上げられる方針が示されています。2026年秋以降に車検を受けられる方は、最新の保険料をご確認ください。
まとめ
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。この記事は自分のための備忘録でもありますが、他の方のお役に立てば幸いです。







