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オートバイの公認改造(構造変更)徹底ガイド

車検


自分のオートバイをカッコよくしたい!もっと性能を向上させたい!と思いますよね。排気量250cc超のバイクは定期的に車検があり、あまりにいじると車検が通らなく可能性があります。

構造変更という公認改造の手続きを行うことで、改造車でも合法的に公道を走ることや車検を通すことができます。構造変更に必要な手続きや必要書類について解説します。

※対象は車検が必要な250cc超のオートバイである小型二輪車といたします。

構造変更とは

構造変更は、正式には「構造等変更検査」といいます。

規定外の外寸の拡大や乗車定員、排気量の変更など、道路運送車両の保安基準に影響を及ぼす可能性のある改造を行った場合に行う手続きです。構造等変更検査の手続きは、車両が登録されている管轄の陸運支局か自動車検査登録事務所に申請します。

構造等変更検査では、変更箇所の検査と併せて通常の車検(継続審査)同様の検査も行うため、検査に通ると、その日から2年間が車検の有効期間となります。

改造箇所は車検証(自動車検車証)や自動車検車証記録事項に記載されます。

改造内容によっては、型式を新たにつけることができます。一般的には「〇〇改」のように元の型式の後ろに改造の「改」の字を入れる例が多いですが、任意に決めることもできますので、陸運支局等の担当職員の方に相談してみるとよいです。

構造等変更検査に通った車両の車検証(自動車検車証)
構造等変更検査に通った車両の車検証(自動車検車証)

構造変更が不要なケースと不要なケース

1995年(平成7年)11月22日より軽微な変更となる自動車部品の取り付けについては、構造等変更に係わる諸手続きが簡素化されました。「軽微な変更に該当する条件」に該当する場合は構造変更は不要となります。具体的には以下の1と2に該当する場合となります。

1.自動車部品を装着したときに寸法及び車両重量が一定範囲内の場合
2.指定部品の簡易的取付または固定的取付の場合


但し、これらの軽微な変更となる自動車部品を装着した状態でも、道路運送車両の保安基準に適合していなくてはなりません。

では、上記の1と2の詳細について記載します。

1.自動車部品を装着したときに寸法及び車両重量が一定範囲内の場合

車種全長全幅全高車両重量
小型自動車
軽自動車
+30mm~-30mm+20mm~-20mm+40mm~-40mm+50kg~-50kg
普通自動車
大型特殊自動車
+30mm~-30mm+20mm~-20mm+40mm~-40mm+100kg~-100kg
※排気量250cc超のオートバイは二輪の小型自動車(小型二輪)に区分されますので、上段の数値となります

車体寸法にはミラーは含まれません。

全長はバイクの前後の長さです。多くはフロントタイヤの一番前からナンバープレートステーの先端もしくはリヤフェンダーの先までとなりますが、車種によってはリヤタイヤの先までの長さとなります。全幅はミラーを除く、横方向に一番飛び出した部分の長さです。多くはハンドル幅がそのまま全幅となります。全高は地面からミラーを除く一番高いパーツまでの高さです。ハンドル、メーター、もしくはスクリーンまでの高さとなります。

2.指定部品の簡易的取付または固定的取付の場合

指定部品は、国土交通省の資料 「自動車部品を装着した場合の構造変更等検査時における取扱いについて(依命通達)」の 細部取り扱いについて 最終改正 平成15年4月8日付け国自技第6号 に記載されております。

オートバイの指定部品の例は以下のような部品です(当サイトの解釈)

分類部品名
車体部品、
エアロパーツ類
カウリング、スクリーン、エアスポイラー、フェンダースカート、その他エアロパーツ類
ラック類キャリア、その他ラック類
カバー類フェンダーカバー、その他カバー類
ガード類アンダーガード、その他ガード類
バイザー類ヘッドライトバイザー、ウインカーバイザー、その他バイザー類
その他車体部品フェンダー、グラブバー、バックレスト、ステップ、クラッチレバー、ブレーキレバー、ナンバー取り付けステー、任意灯火類等
原動機、
排気系統部品
エキゾーストパイプ
走行装置タイヤ、ホイール
操縦装置変速レバー
緩衝装置関係コイルスプリング、ショックアブソーバー
騒音防止装置関係マフラー、排気管
その他部品指定灯火類(ヘッドライト、ウインカー、テールランプ、番号灯)、ミラー
※本内容は当サイトの解釈です。
※構造変更の際は管轄の陸運支局か自動車検査登録事務所に必ず確認ください。

「自動車部品を装着した場合の構造等変更検査時等における取扱いについて(依命通達)」の細部取扱いについて 最終改正 平成15年4月8日付け国自技第6号 に記載されている指定部品は以下のとおりです。

Ⅰ アクセサリー等の自動車部品
1.車体まわり関係
(1)空気流を調整等するための部品
エア・スポイラ、エア・ダム、フード・ウインド・デフレクター、フード・スクープ、ルーバー、フェンダー・スカート、ピックアップ・トラック・ランニングボード、その他エアロパーツ類、二輪車のカウル類、二輪車のウインド・シールド

(2)手荷物等を運搬するための部品
ルーフ・ラック、エンクローズド・ラゲージ・キャリア、バイク/スキー・ラック、その他ラック類

注:道路交通法第55条第2項に定める積載の方法に抵触する蓋然性の高いものは、自動車の構造装置として記載事項の変更申請があった場合でも、これを認めないものとする。

(3)その他の部品
サンルーフ、コンバーチブル・トップ、キャンパー・シェル、窓フィルム(コーティングを含む)、キャンピングカー用日除け、ロール・バー、バンパー・ガード、フ ェンダー・カバー、その他カバー類、ヘッド・ライト/フォグライト・カバー、その他灯火器カバー類、グリル・ガード、バンパ/プッシュ・バー、ドア等プロテクター、アンダー・ガード、その他ガード類、ラダー、サン・バイザー、ルーフトップ・バイザー、その他バイザー類、ウインチ、けん引フック、トウバー、ロープ・フック、水/泥はねよけ、アンテナ、トラック・ベッド・ライナー、グラフィック・パッケージ/テープ・ストリップ・キット、ボディー・サイド・モールディング、デフレクター/スクリーン(グリル)、コーナー・ポール、コーナー等のセンサー、後方監視用カメラ、車間距離警報装置、二輪車:グラブ・バー、バック・レスト、ステップ、クラッチ/ブレーキ・レバー

注:車体まわり関係の自動車部品を装着することにより、歩行者、自転車等乗員に接触するおそれのある車体外側表面部位は、外側に向けて先端が尖った又は鋭い部分があってはならない。

2. 原動機、排気系統関係の部品
リモコン・エンジン・スターター、エキゾースト・パイプ・チップ/エクステンション

3. 車室内に設置する部品
空気清浄器、エア・コンディショナー、ナビゲーション、無線機、自動車電話、オーディオ、その他音響機器類、盗難警報システム、エア・バック 4. その他 ナンバー取付ステー、任意灯火器類
Ⅱ 運行に当たり機能する自動車部品
1. 走行装置関係の部品
(1)タイヤ
(2)ホイール

2. 操縦装置関係の部品
(1)ステアリング・ホイール(二輪車のステアリング・ハンドルは除く。)
(2)パワ・ステアリング(ギヤ・ボックスと一体のものを除く。)
(3)変速レバー、シフトノブ
(4)身体障害者用操作装置の部品(次の変更内容に係る部品に限る。)
① ステアリング・ホイールへの旋回ノブの取り付け
② アクセル、クラッチ、ブレーキ等への手動操作部品の取り付け
③ 方向指示器レバーの移設又は足踏み方式部品の取り付け
④ 足踏み式駐車ブレーキへの手押しレバーの取り付け
⑤ ペダル類にペダルを延長するための部品の取り付け
⑥ 助手席への補助ブレーキ・ペダルの一時的な取り付け
⑦ アクセル・ペダル又はブレーキ・ペダルの移設又は増設取り付け

3. 緩衝装置関係の部品
(1)コイル・スプリング
(2)ショック・アブソーバ
(3)ストラット
(4)ストラット・タワー・バー

注:上記(2)及び(3)の部品を変更して装着することにより、走行中運転者席等において車両姿勢を容易かつ急激に変化させることができるものであってはならない。

4. 連結装置関係の部品
(1)トレーラ・ヒッチ
(2)ボール・カプラ

5. 騒音防止装置関係の部品
(1)マフラー
(2)排気管

6. その他の部品
(1)規定灯火器類
(2)ミラー
(3)ディーゼル微粒子除去装置(酸化触媒、DPF等)
「自動車部品を装着した場合の構造等変更検査時等における取扱いについて(依命通達)」の細部取扱いについて 最終改正 平成15年4月8日付け国自技第6号の抜粋

構造変更が不要となる取付方法は、簡易的取付と固定的取付となります。恒久的取付は自動車のフェンダーの取り付け等で用いる方法です。

取付方法内容構造変更
簡易的取付両面テープ、蝶ねじ等、手で容易に脱着できるもの構造変更不要
固定的取付ボルト、ナット等、工具で容易に脱着できるもの構造変更不要
恒久的取付溶接、リベット等、容易に脱着できないもの構造変更必要

構造変更の手続きの流れ

構造変更は以下の流れとなります。

1.車両作成

車両を製作します。どのような内容でも構造変更の検査が通るわけではありませんので、管轄の陸運支局か自動車検査登録事務所に構造変更が必要であるか含めて相談してみましょう。

バーハンドルの変更に伴う全幅変更やスクリーン変更に伴う全高変更などの軽微構造変更の場合は準備する資料なども比較的簡単です。

2.構造等変更検査の準備(必要に応じて)

構造等変更検査の書類審査に向け、どのような資料の準備を行えばよいか、管轄の陸運支局か自動車検査登録事務所の窓口に相談します。相談時は、車検証、改造内容が確認できる写真、使用した部品などの情報、可能であれば記載した第1号様式も持参できるとよいです。

3.構造等変更検査:書類審査

第1号様式とその他に必要な資料(添付資料)を揃えて、管轄の陸運支局か自動車検査登録事務所の窓口に提出します。書類が受理されれば、車両検査の検査日を予約します。

4.構造等変更検査:車両検査

通常の車検(継続検査)と同様の流れです。変更箇所(改造箇所)は細かくチェックされます。
寸法や重量が変わっている場合は、寸法測定や重量測定も行われます。
この検査を通れば、新しい自動車検査証(車検証)と自動車検査証記録事項、検査標章(車検シール)が発行されて、公道を走ることができます。

届出様式

窓口に提出する届出様式の第1号様式などは、独立行政法人自動車技術総合機構のサイトからダウンロード可能です。

独立行政法人自動車技術総合機構 届出様式ダウンロード

昔の届出様式のサンプル

以下の資料は、平成11年(1999年)に、FZ750のエンジンをFZR1000(2GH)のエンジンに換装した際に使用したものです。様式のフォーマットは変更されていますので、このまま流用することはできませんが、何かの参考になれば幸いです。

改造自動車等届出書 第1号様式の記載例(平成11年時点の様式)
改造自動車等届出書 第1号様式の記載例(平成11年時点の様式)
改造自動車等届出書 第2号様式 表面 の記載例(平成11年時点の様式)
改造自動車等届出書 第2号様式 表面 の記載例(平成11年時点の様式)
改造自動車等届出書 第2号様式 裏面 の記載例(平成11年時点の様式)
改造自動車等届出書 第2号様式 裏面 の記載例(平成11年時点の様式)
OCR用紙 第1号様式の記載例(平成11年時点の様式)
OCR用紙 第1号様式の記載例(平成11年時点の様式)
自動車検査票 表面 の記載例(平成11年時点の様式)
自動車検査票 表面 の記載例(平成11年時点の様式)
自動車検査票 裏面 の記載例(平成11年時点の様式)
自動車検査票 裏面 の記載例(平成11年時点の様式)
自動車重量税納付書の記載例(平成11年時点の様式)
自動車重量税納付書の記載例(平成11年時点の様式)
手数料納付書の記載例(平成11年時点の様式)
手数料納付書の記載例(平成11年時点の様式)
OCR用紙 第9号様式の記載例(平成11年時点の様式)
OCR用紙 第9号様式の記載例(平成11年時点の様式)
構造変更後の自動車検車証(平成11年時点)
構造変更後の自動車検車証(平成11年時点)

最後に

この記事の情報は、旧サイト「Factory MASA!!」時代に記載した公認改造(構造変更)についての記事をリニューアルしたものです。本記事執筆時点である2023年の情報に改定した部分もありますが、一部古い情報もありますことご容赦ください。オートバイの構造変更を検討中の方のお役に立てば何よりです。

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