作業日:2025年10月4日(土)
走行距離:62598.3 Mile
FZ750のACジェネレータ交換が無事に完了したので、動作確認も兼ねて第三京浜を軽く試走してきました。
都筑PA(上り)で電圧チェックと休憩を済ませて、そろそろ帰宅しようとエンジンを始動。
ところが、スタートスイッチを押した瞬間、違和感が…。ボタンが奥に入り込んだまま戻ってこないのです。
エンジンは始動したものの、セルモーターが止まらず回り続ける異常事態。慌ててキルスイッチでエンジンとセルを強制停止しました。
オートバイの始動系トラブルといえば、セルモーターやスターターリレーの故障が定番ですが、まさかスタートスイッチそのものが壊れるとは…。正直、予想外の故障に驚きました。

帰宅後、FZ750の右スイッチボックスを分解してみたところ、原因が判明。スタートスイッチ内部のキックばね(復帰用のばね)が折れていたのです。
ヤマハ発動機のPC版パーツカタログで確認したところ、FZ750の右スイッチボックスはアッセンブリ(ASSY)部品扱いとなっており、スタートスイッチのばね単体では純正部品として購入できないことが分かりました。
そこで、代替品を探すために、破損したばねの寸法と材質を確認しました。
・材質:おそらくステンレス製
・線径(針金の太さ):約0.5mm
・コイル外径:約5.5mm
・巻き数:約5巻

色々検討した結果、以下のバネを代替品として購入しました。
・メーカー名:SHK(新生発条工業株式会社)
・型番:SK-06
・品名:キックバネ
・線径×外径×足の長さ×足の長さ:0.6×5×10.5×15.5mm
・材質:ステンレス
袋から出して確認したところ、巻き数は4巻のようです。

SHK SK-06をFZ750のスタートスイッチ内部に合うように形状を加工してみました。
試作1本目ではうまく収まらず、弾力も不十分でしたが、2本目の加工でようやく理想的な形状に到達。スイッチ内部にしっかり収まり、ボタンを押したときに適度な弾力と確かな復帰動作を感じられるようになりました。

今回作成したばねは、元の形状とは若干異なると思いますが、その点はご容赦ください。
機能的には問題なく、スイッチの押し戻し動作もスムーズに復活しました。

せっかく右スイッチボックスを分解する機会ができたので、各スイッチの接点を丁寧に磨き、可動部にはグリスアップも施しました。

私は接点部分やコネクター部分には接点復活王を使っています。
組みあがった右スイッチボックスをFZ750に取り付けました。
スタートスイッチは正しく動作できました。また、他のスイッチ類も正しく動作していることを確認できました。

長年の使用で接点には軽い酸化や汚れが見られましたが、清掃後は導通も安定し、スイッチの動作もよりスムーズになった気がします。グリスアップによってボタンの押し心地も改善され、操作感も向上しました。
こうした細かなメンテナンスは、トラブル予防にもつながるので、今後も定期的にチェックしていきたいと思います。