前回の記事(春だ箱根に行こう2026)でお伝えしたとおり、2026年5月3日に大観山パーキングで開催されたFZ750ミーティングにて、エンジンが温まると失火とアフターファイヤーが発生するという点火不良に見舞われました。なんとか大観山には辿り着いたものの、帰りは茅ヶ崎から自宅までレッカーのお世話になってしまいました。
ミーティングで「ダルマさん」にご指摘いただいたピックアップコイルの不良を疑い、GW連休中に原因を確認することにしました。
私のFZ750のエンジンについて
私のFZ750に搭載しているエンジンは1987年式FZR1000(型式:2GH)のものです。このエンジンのピックアップコイルは1個です。
ちなみに、1985年式FZ750(型式:1FM、1AE)はピックアップコイルが2個あります。
ピックアップコイルの新品部品は入手できるのか?
FZR1000(1987年式 2GH)のピックアップコイル(ヤマハの正式名称:ピックアップアッセブリ)は、FZR750(1987年式 2LM)と共通の部品番号 2GH-81670-10 です。しかしヤマハ発動機のPC版パーツカタログでは在庫なし(販売終了)となっています。
オランダのバイク純正部品専門通販サービス CMSNL.com(Consolidated Motor Spares B.V.)でも調べてみましたが、FZ系のピックアップコイルは全滅の状況でした(大泣)。
| 車種 | 部品番号 | 部品名 | 価格 |
|---|---|---|---|
| FZR1000(1987年式 2GH) | 2GH-81670-10 | PICK-UP ASSY | $184.47(在庫なし) |
| FZR750R(1989年式 3FV1) | 2GH-81670-11 | PICK-UP ASSY | $184.47(在庫なし) |
| FZX750(1993年式 4AM3) | 2KT-81670-11 → 2GH-81670-10 | PICK-UP ASSY | $184.47(在庫なし) |
| FZR1000(1992年式 3GM) | 3GM-81670-00 | PICK-UP ASSY | $279.05(在庫なし) |
| YZF1000R(2000年式 4VD6) | 3GM-81670-00 | PICK-UP ASSY | $279.05(在庫なし) |
新品部品の確保は難しい状況ですが、まずは現状のピックアップコイルをしっかり点検することにします。
ピックアップコイルの抵抗値を測定
深呼吸してから、FZ750(2GHエンジン)のピックアップコイルを改めてチェックします。手元にあるFZR750(2LM)のサービスマニュアルによると、ピックアップコイルの規定抵抗値は135〜165Ωです。※2LMと2GHのピックアップコイルは共に(部品番号:2GH-81670-10)

ピックアップコイルはイグナイターユニットに直接接続されているため、コネクターを外してテスターで抵抗値を測定しました。結果は151.0Ω。ばっちり規定値内です。ピックアップコイルの配線には断線や損傷もなく良好でした。

2020年にメインハーネスをリニューアルしたときに、ピックアップコイルのコネクターも一緒に交換しました。気がつけば、もう5年以上経っているんですね。月日が経つのは本当に早いものです。
せっかくコネクターを外したので、ピックアップコイルとイグナイターユニット双方のコネクター接点をサンハヤト 接点復活王で清掃してから再接続しました。

上の写真のサンハヤトの接点復活王(ポリコールキング PJK-245)は販売終了製品です。後継製品は、より防錆力の高いニューポリコールキング PJR-S120 となります。サンハヤトの接点復活王は洗浄力はもちろん、樹脂を侵さないのでとても良いです。
そして、コネクターの端子は歯間ブラシ(ワイヤータイプ)で磨くのも私の定番です。
清掃後の試走 ― 近所を走ってみる
エンジンを始動。暖機中は点火不良が起きる様子もなく、近所を少し走ってみます。
数キロ走って停止し、温度を測定しました。
- シリンダーヘッド排気側表面温度:106.1℃
- ピックアップコイル表面温度:90.5℃
エンジンは十分に温まっていますが、点火不良はゼロ。普通に走れています。

もう少し距離を伸ばして京浜島へ
「自力で帰れなくなったら……」という恐怖を抱えつつも、もう少し距離を伸ばして京浜島まで走ってみました。
本日ここまでの走行距離は17.1マイル(約27.4km)。エンジンは十分に温まっていますが、点火不良は一切なく普通に走っています。
- シリンダーヘッド排気側表面温度:90.0℃
- ピックアップコイル表面温度:72.1℃

温間時のピックアップコイルの抵抗値も測定してみると、183.8Ωと冷間時より増加していました。金属は温度が上がると電気抵抗も上昇するため、規定値(135〜165Ω)を超えても不思議ではありません。
なお、海外のサービスマニュアルには、「135〜165Ωは20℃時の値」と明記されていました。

原因はコネクターの接触不良だったのか?
「ピックアップコイル本体の不良ではなく、コネクター部分の接触不良がトラブルの原因だったのでは?」という考えが頭をよぎりながら自宅に戻りました。
本日のコネクター清掃後の総走行距離は23.9マイル(約38.2km)。その間、エンジンが温まった状態での失火・アフターファイヤーは一度も発生しませんでした。
まとめと今後の方針
ピックアップコイルのコネクター清掃で状況は劇的に改善しました。ただし、これで完全に解決したかどうかはまだ断言できません。新品のピックアップコイルについては引き続き入手先を探しつつ、しばらく様子を見ていきたいと思います。
続報をお楽しみに!






