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川崎重工業株式会社の企業ミュージアム「カワサキワールド」

資料

川崎重工業株式会社の企業ミュージアム「カワサキワールド」をご紹介します。
本記事は、2019年5月21日時点の情報となります。

川崎重工業は、オートバイだけでなく、航空機、鉄道車両、船舶、ヘリコプターなどの輸送機器やその他機械装置を製造している企業です。カワサキワールドは、2006年5月に神戸海洋博物館内に設置された企業ミュージアムです。

”テクノロジーを「見て」「触れて」楽しく体験” をコンセプトに、120年を超える歴史を持つ川崎重工業を楽しく学ぶことができます。

施設名カワサキワールド
住所兵庫県神戸市中央区波止場町2番2号(神戸海洋博物館内)
電話番号078-327-5401
開館時間10:00 ~ 18:00(入館は17:30まで)
休館日毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)
年末年始(12月29日~1月3日)
入場料大人:900円
小人(小・中・高):400円
予約不要
URLhttps://www.khi.co.jp/kawasakiworld/
2024年2月時点の情報(2019年5月時点の入場料は、大人(高校生以上)は600円、子供(小中)250円)

兵庫県神戸市中央区にある「神戸海洋博物館」の館内にカワサキワールドはあります。

神戸海洋博物館の外観
神戸海洋博物館の外観

カワサキワールドは「神戸海洋博物館」の1階の一部だけですので、ちょっと小ぶりな企業ミュージアムです。このエントランスを入ると川崎重工業の世界が始まります。

カワサキワールドのエントランス
カワサキワールドのエントランス

川崎重工業の「リバーマーク」(川を図案化したマーク)がお出迎えです。川崎重工業は、明治11年(1878年)創始者の川崎正蔵が東京の築地に「川崎築地造船所」を開設したことが起源です。

川崎重工のロゴマーク「川」の字のマーク
川崎重工のロゴマーク「川」の字のマーク

1900年台から1910年台のパネルです。
川崎造船所という名前のとおり、1900年台は造船が主力です。1906年には国産初の潜水艇、1908年には民間造船所建造初の大型戦艦「淀」がつくられたそうです。鉄道車両事業や製鉄事業、海運業への進出など大変勢いがありますね。

川崎重工の1900年台から1910年台のパネル
川崎重工の1900年台から1910年台のパネル

1920年台から1930年台のパネルです。
ディーゼル機関、蒸気機関車、電気機関車、飛行機(偵察機、重爆撃機)、自動車などに交じって、清洲橋や永代橋などの大型の橋など製品ラインナップです。1939年に商号を「川崎重工業株式会社」に変更するのも納得です。

川崎重工の1920年台から1930年台のパネル
川崎重工の1920年台から1930年台のパネル

航空母艦「瑞鶴」(縮尺1/136)1941年建造の川崎重工初の航空母艦だそうです。

1941年建造の航空母艦「瑞鶴」(縮尺1/136)
1941年建造の航空母艦「瑞鶴」(縮尺1/136)

ここからはモーターサイクルギャラリーです。
まず目に飛び込むのが、外装部品がとりはずされた Ninja H2Rです。

外装部品がとりはずされた Ninja H2R
外装部品がとりはずされた Ninja H2R

Ninja H2Rのエンジンのカットモデルです。非常にコンパクトなスーパーチャージャーがとりつけられています。

Ninja H2Rのエンジンカットモデル
Ninja H2Rのエンジンカットモデル

こちらは外装パーツが取り付けられた Ninja H2Rです。床は鏡のようになっており、マフラーなどの構造も眺めることができます。

外装パーツが取り付けられたNinja H2R
外装パーツが取り付けられたNinja H2R

900 super 4(1972年)
一般的には Z1と呼ばれるカワサキの伝説の名車です。それ以上の説明は不要なオートバイです。

900 super 4 : Z1(1972年)
900 super 4 : Z1(1972年)

Z1のエンジンカットモデルです。この角度だとクラッチ部分のカットに目がいってしまいますが、上部のシリンダーヘッドカバー部分から DOHCのカム周辺がよく見えます。

Z1のエンジンカットモデル
Z1のエンジンカットモデル

ZX-RR(2005年)
ZX-RRは MotoGPで中野真矢が乗ったマシン。ZX-RRは 2005年の中国GPでオリビエ・ジャックが2位となりました。これはカワサキにとって MotoGPクラスのベストリザルトとなりました。

ZX-RR(2005年)
ZX-RR(2005年)

KR500(1982年)
KR500は WGP 500ccクラスでコーク・バリントンが乗ったマシンです。無塗装のアルミタンクが目を引きます。1982年の500cc ランキングは、コーク・バリントンは9位。勝利にはちょっと届きませんでした。

KR500(1982年)
KR500(1982年)

125 B8(1964年)
125 B8 は、エンジンから車体までを一貫して川崎航空機工業が設計・製造した初の本格的オートバイです。

125 B8(1964年)
125 B8(1964年)

125 B8M(1963年)
125 B8Mは 市販車の125 B8をベースにチューニングを行ったモトクロス用マシンです。昭和38年(1963年)MFJ主催の第1回モトクロス大会 125ccクラスでは 1位から6位まで独占して完全優勝を成し遂げたそうです。

125 B8M(1963年)
125 B8M(1963年)

350 AVENGER A7(1968年)
350 AVENGER A7は 1966年に発売された「250 SAMURAI A1」の排気量を247ccから338ccを拡大したモデルです。最高出力40.5PS/7,500rpm、最高速度175km/hを誇ったそうです。

350 AVENGER A7(1968年)
350 AVENGER A7(1968年)

A7RS(1969年)
A7RSは 238ccのA1Rをベースに排気量を349ccに拡張したマシンです。最高出力53PS/9,500rpmを発揮し、1968年のクアラルンプールとシンガポールグランプリのGP350クラスで優勝したそうです。写真は1969年のモデルです。

A7RS(1969年)
A7RS(1969年)

H2 MACH Ⅳ(1974年)
500ccのH1マッハⅢで培った2ストロークの技術を集結して1971年に販売されたのが H2マッハⅣ です。カワサキ初の750ccクラスのこのバイクは最高出力 74PS/6,800rpm、最高速度203km/hと HONDA CB750 FOURを抑えて、当時の市販車最速を誇りました。写真は1974年のモデルです。

H2 MACH Ⅳ(1974年)
H2 MACH Ⅳ(1974年)

H2R(1972年)
H2Rは 1972年のデイトナ200マイル参戦を見据えて作成されたマシンです。市販レーサー H1R のフレームに、チューンされた H2マッハⅣ のエンジンが搭載されたそうです。

H2R(1972年)
H2R(1972年)

KZ1000R(1982年)
1981年 エディ・ローソンが KZ1000J でAMAスーパーバイク選手権でチャンピオンを獲得したことを記念して発売されたのが KZ1000Rです。KERKERの集合管は標準で搭載されていました。

KZ1000R(1982年)
KZ1000R(1982年)

KZ1000S(1982年)
KZ1000Sは AMAスーパーバイク選手権を見据えて開発された市販レーサーです。KZ1000Jをベースに市販車の外装部品が取り付けられていますが、ツインプラグ仕様のエンジンやホイール、ブレーキ、スタビライザー付きのスイングアームなどの足回りは市販車とは別物です。

KZ1000S(1982年)
KZ1000S(1982年)

KERKERメガホンの大口径サイレンサーは迫力がありますね。

KZ1000S(1982年)に装着されているKERKERのサイレンサー
KZ1000S(1982年)に装着されているKERKERのサイレンサー

ZXR750(1993年)
ZXR750は 1989年発売されたカワサキ初となる750ccクラスのレーサーレプリカモデルです。GPX750ベースのエンジンがアルミ製ツインチューブフレームに搭載されています。写真は1993年のモデルです。

ZXR750(1993年)
ZXR750(1993年)

ZXR-7(1993年)
ZXR-7は SBKライダーのスコット・ラッセル と アーロン・スライトのコンビで 1993年の鈴鹿8時間耐久ロードレースを優勝しました。この年のレギュレーションは 改造範囲が広い TT-F1 だったので、フレームやスイングアームなども上の写真のZXR750(1993年)とは大きく異なります。

ZXR-7(1993年)
ZXR-7(1993年)

KX450F(2014年)
2011年から 2014年にかけて、ライアン・ビロポートは AMAスーパークロス選手権 450ccクラスを4連覇しました。こちらは 2014年のマシンです。

KX450F(2014年)
KX450F(2014年)

Ninja ZX-10R(2015年)
2015年から2020年にかけて、ジョナサン・レイは スーパーバイク世界選手権で6連覇しました。こちらは2015年のマシンです。

Ninja ZX-10R(2015年)
Ninja ZX-10R(2015年)

GPZ900R
GPZ900Rは 1984年から2003年まで販売されていた人気モデルです。北米モデルのみ「Ninja」の名称が付けられました。トム・クルーズ主演の映画「トップガン」に登場したGPZ900RはA2なのでカラーリングなど細部は異なります。

GPZ1000RX
GPZ1000RXは 1986年から1988年まで販売されていたモデルです。GPZ900Rのエンジンをベースに排気量を997ccに拡張されました。前後ホイールは16インチが採用されました。

GPZ1000RX
GPZ1000RX

ZZR-1100(Ninja ZX-11)
ZZR-1100は 1990年から途中モデルチェンジを経て 2003年まで販売されていたモデルです。1996年に HONDA CBR1100XX が登場するまで、世界最速の市販車と呼ばれていました。

ZZR-1100(Ninja ZX-11)
ZZR-1100(Ninja ZX-11)

カワサキの高速ツアラーたち。左から GPZ1000RX, Ninja ZX-11, Ninja ZX-12R, Ninja ZX-14R そしてその奥には GPZ900R です。

GPZ900R GPZ1000RX, Ninja ZX-11, Ninja ZX-12R, Ninja ZX-14R
GPZ900R GPZ1000RX, Ninja ZX-11, Ninja ZX-12R, Ninja ZX-14R

モーターサイクルギャラリーの先には、陸のゾーン、海のゾーン、空のゾーンがあります。
こちらは、陸のゾーンに展示されている 0系新幹線の先頭車両です。

0系新幹線の先頭車両
0系新幹線の先頭車両

普段は見ることができない、新幹線の台車です。

新幹線の台車
新幹線の台車

海のゾーンには、船のような形をしたものづくりシアターがあります。空のゾーンには大型ヘリコプターの「川崎バートルKV-107II型」が展示されています。

今回の見学では川崎重工業がオートバイを作るきっかけは太平洋戦争だったことが分かりました。太平洋戦争で敗戦国となった日本は航空機を製造することを長らく禁止されましたが、当時ブームを巻き起こしていたオートバイ市場にその高い技術力で参入して挑戦を続けているのですね。

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