2026年7月25日(土)
東京の最高気温は37℃の予報。そんな日に、箱根へ行って参りました。
はこね金太郎ラインから長尾峠、箱根スカイライン、芦ノ湖スカイラインとつなぐ、いわば箱根の”尾根伝い”ルートです。標高を上げれば涼しかろう、という目論見は概ね当たりました。ただ、この日は最後に思わぬオチが付きまして……その顛末も含めて記録しておきます。
出発は9時半|スクリーンのネジを直していたら
出発前にスクリーンのネジの取り付けなどをやっておりまして、自宅を出たのは9時半頃になりました。夏場は早出が鉄則なのですが、まあ、こういう日もあります。
案の定、東名高速は綾瀬付近を先頭にすでに渋滞。そこで一般道から第三京浜、横浜新道と抜けて、再び一般道を走り、綾瀬スマートインターから東名に乗ることにしました。渋滞の先頭より前から乗ってしまえば、その先は流れます。
中井PAで休憩|”シロクマ”を忘れました
一息つくために中井PAへ。FZ750のシートバッグに夏のツーリングに欠かせないシロクマを積み忘れたことに気が付きました。

シロクマというのは、ときわ商会の「ひんやりシャツシャワー」のことです。パッケージにシロクマが描かれているので、我が家では専らこの呼び方をしています。
ジャケットやパンツ、シャツにシュッと吹きかけておくと、走行している暫くの間、体がひんやりします。真夏のツーリングでは、これがあるとないとで消耗がまるで違います。昨年のビーナスラインツーリング記事でも登場していますが、夏場の相棒のような存在です。
今日は忘れたのだから仕方ありません。水をしっかり飲んで先に進みます。

大井松田で高速を降りて、県道78号からはこね金太郎ラインへ
東名高速道路は大井松田ICで降ります。
ここから県道78号(御殿場大井線)を経由して、はこね金太郎ライン(県道731号 矢倉沢仙石原線)へ。

はこね金太郎ラインは、南足柄市矢倉沢と箱根町仙石原を結ぶ約10.9kmの県道です。もともとあった林道を再整備する形で、2021年(令和3年)4月28日に開通しました。
はこね金太郎ラインは道幅が狭い区間が多く、対向車には常に注意が必要です。

昔から箱根に通っている身からすると、この道が「できた」ことそのものが、いまだに少し不思議な感覚です。足柄峠から南足柄側に下る途中から、箱根の裏側にストンと抜けられる。国道1号や国道138号の混雑を避けられるルートが増えたのは、素直にありがたいことです。
金時見晴パーキングと、金時隧道の”天然クーラー”
途中の金時見晴パーキングでちょっとだけ休憩。
看板の先には芦ノ湖9km、仙石原3kmの標識。ここまで来れば、箱根はもう目の前です。

この先に見えるトンネルが金時隧道です。このトンネルの中が、とにかく涼しい。外は真夏の日差しですから、入った瞬間の温度差に思わず声が出そうになります。
金時隧道は約330mの短いトンネルですが、真夏のツーリングにおいては立派なご褒美です。抜けた途端にまた暑さが戻ってくるのも含めて、夏らしい体験でした。
長尾峠を経由して、箱根スカイラインへ
仙石原に下りたあとは、長尾峠へ。

これまた涼やかな長尾隧道(別名:長尾トンネル、全長約150m)を抜け、箱根スカイラインに入ります。
ちなみに、長尾隧道は大正3年(1914年)完成で、箱根に現存する最古の道路トンネルです。

箱根スカイラインの通行料は二輪車350円。芦ノ湖スカイラインへもそのまま繋がる、箱根の尾根を走る有料道路です。

富士見ヶ丘公園|歩いて3分の、静かな展望広場
これまで、箱根スカイラインの途中で停まったことが無かったのです。
今回は初めて、富士見ヶ丘公園に立ち寄ってみました。

「歩いて3分」とのことなので、行ってみることに。ところがこれが、なかなかの登山道でして。ライディングブーツで上がるには、正直かなり歩きにくい道でした。3分という表記に油断してはいけません。

登りきると、広場の真ん中に標識が一本、ぽつんと立っています。

この日は残念ながら富士山は見えませんでしたが、その代わりに愛鷹山と東富士演習場方面の景色が広がっていました。夏らしい入道雲が湧いていて、これはこれで見応えのある眺めです。
印象に残ったのは、標識以外にベンチもトイレも何もない、という潔さ。それでいて、これだけの広場に雑草がまったく生えていないのです。定期的に手を入れている方がいらっしゃるということで、とてもよく手入れされた公園でした。眺めのよさもさることながら、この静けさと整い方が気持ちよい場所です。

……ただ、この炎天下でのブーツ登山が、このあと効いてくることになります。
箱根芦ノ湖展望公園で、久しぶりの立ちごけ
次に箱根芦ノ湖展望公園へ立ち寄りました。……のですが。
バイク用の駐車スペースに停めようとしたところで、なんと立ちごけ。
幸い、近くにいらした2名の方に手伝っていただき、無事にバイクを起こすことができました。この場を借りて、あらためてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

被害状況は以下のとおりです。
- 右ミラー(折れる)
- 右前ウィンカー(カウルステーごと曲がる)
- ブレーキペダル(曲がる)
- クラッチカバー(オイルのにじみ)
- タンク(少し凹む)
- サイレンサー(少し傷)
- そして、自分の心
立ちごけなんて、かなり久しぶりです。20年ぶりぐらいでしょうか。
いま振り返ると、原因は一瞬の踏ん張りが利かなかったというより、そこに至るまでの積み重ねだったように思います。この日の暑さ、そして直前の富士見ヶ丘公園でブーツのまま登山道を上り下りした疲労。じわじわ削られていた集中力が、停車という一番気の抜ける瞬間に出てしまった、ということなのでしょう。
しかも箱根芦ノ湖展望公園の駐車場は、日差しを遮るものが何もない炎天下です。停めた瞬間から容赦なく照らされる環境で、疲労はさらに増していきました。
猛暑のツーリングでは、走っているときよりも停まるときのほうが危ない。改めて、身をもって学んだ次第です。
応急処置をして、再出発
その場で応急処置を行ったのは2箇所です。
右前ウィンカーステーは、内側に入り込んでフロントフォークと干渉する位置になっていました。このままではハンドルを切ったときに問題が出ますので、車載工具を使って、フロントフォークと当たらない程度まで外側に曲げ戻しました。
ブレーキペダルは、クラッチカバーに当たる形で曲がってしまっていました。こちらも、ある程度ペダルが踏める位置まで修正。完璧とは言えませんが、帰路の操作に支障が出ない程度には戻せました。

こういうとき、車載工具の存在がありがたく感じられます。
この車載工具袋は、FZR750(1987年式 2LM)の純正流用品です。いまでは珍しい布製です。すぐに破けるビニール製とは比較にならない耐久性ですが、そろそろ何とかしたほうがよいですね。
冷やし中華を探して、小田原へ
応急処置を終えて時計を見ると12時半を回っていました。お昼を真剣に考えます。
暑さでやられた身体が求めていたのは、冷たい冷やし中華。これしかない、という気分で芦ノ湖スカイラインと箱根新道を抜けて、小田原市内で店を探しました。
ところが、これが見つからないのです。正確に言えば、店はあってもバイクを停められそうな場所がない。炎天下でバイクに乗っているだけで体力を削られていますので、諦めて西湘バイパスに乗ることにしました。
西湘PA(上り)の「満腹カレー」
たどり着いたのは西湘バイパス 西湘PA(上り)のスナックコーナーです。
揚げ物系の定食、カレー、そば、うどん、ラーメン——昭和から平成にかけてのサービスエリアメシの雰囲気が、そのまま残っているラインナップです。この空気感、嫌いではありません。
肝心の冷やし中華はというと、冷やしそば・冷やしうどんはあるものの、冷やし中華はありませんでした。

そしてメニューを眺めているうちに、なんというか、この日の流れを変えてくれる食べ物が欲しくなってしまいまして。気が付けば満腹カレー(1,280円・税込)を注文しておりました。冷たいものを求めてここまで来たはずなのですが。

注文後、あまりに私がごくごくと水を飲んでいたからでしょう、店員さんが新しいピッチャーを用意してくださいました。こういう気配りは、疲れているときほど沁みます。有難うございました。
出てきた満腹カレーは、メンチカツ、コロッケ、鰺フライが乗った堂々の布陣。名前に偽りなしです。

正直に申し上げると、ごはんの量に対して揚げ物が多すぎる気はしました。それでもお腹は十分に満足しまして、灼熱の最中でも「よし、もう少しバイクに乗るか」という気力が湧いてきたのですから、これはこれで正解だったのだと思います。
帰路
食後は西湘バイパスの国府津ICで一般道に下り、小田原厚木道路から東名高速を経由。15時30分に無事帰宅しました。
おわりに
立ちごけという痛い記憶付きの一日にはなりましたが、金時隧道の涼しさ、富士見ヶ丘公園の静かな眺め、そして満腹カレー。夏の箱根らしい要素は、しっかり味わうことができました。
そして今回いちばんの教訓は、夏の疲労は自覚のないところで溜まっているということ。暑さ、日陰のない駐車場、ブーツでの登り降り。ひとつひとつは大したことがなくても、積み重なれば停車という一番単純な動作が疎かになります。日陰での小まめな休憩と、水分。そして忘れずに持ってくるべき装備。基本に立ち返るべきだと痛感しました。
そして何より、駆けつけて助けてくださったお二方に、重ねてお礼を申し上げます。
壊れたところは、追って直していきます。その様子はまた別の記事で。
本日の走行距離:141.2 Mile(約 227 km)




