2025年1月30日に発表された、日本仕様のジムニー5ドアであるジムニーノマドは、インドのスズキ子会社であるマルチ・スズキのグルガオン工場で生産されています。
インドでは日本に先立ち、2023年6月からにジムニー5ドアが販売されています。日本仕様のジムニーノマドと比較してみたいと思います。
グレード
日本のジムニーノマドのグレードはFCのみですが、インドではベーシックモデルのゼータ(Jimny Zeta AllGrip Pro)と上位モデルのアルファ(Jimny Alpha AllGrip Pro)の2種類があります。
ジムニーシエラで例えるならば、ゼータはJL、アルファはJCのような関係です。
それぞれの価格は以下のとおりです。
日本仕様 ジムニーノマドFC | インド仕様 Jimny Alpha | インド仕様 Jimny Zeta | |
5MT | 2,651,000円 | ₹1370500 約241万円 | ₹1275500 約224万円 |
4AT | 2,750,000円 | ₹1480500 約260万円 | ₹1385500 約243万円 |
※インド仕様は2025年2月時点のマルチ・スズキの販売店NEXAのデリーでの価格です。
※₹1(1ルピー)=1.76円で計算しています。
日本仕様の方が高いように感じますが、メーカー希望小売価格は消費税10%込みの価格です。
ジムニーノマド FC 4ATは、税込価格は2,750,000円ですが、税抜価格ならば2,500,000円です。日本仕様のジムニーノマドの方がインド仕様のジムニーアルファより安いくらいですね。
では、詳細を見ていきましょう。
外観
日本仕様のジムニーノマドFCとインド仕様のジムニーアルファとも、外観はほぼ一緒です。よく見るとジムニーノマドはLEDサイドターンランプ付ドアミラーですが、ジムニーアルファのドアミラーは黒いドアミラーです。

※スズキ公式サイトより引用

マルチ・スズキの販売店NEXA公式サイトより引用
一番の違いは車体色ですね。ジムニーノマド FCには以下の6色です。JB64/74の看板カラーであるイエローや国内で人気のグレーが無いのです。
- シズリングレッドメタリック ブラック2トーンルーフ
- シフォンアイボリーメタリック2 ブラック2トーンルーフ
- セレスティアルブルーパールメタリック
- ブルーイッシュブラックパール4
- ジャングルグリーン2
- アークティックホワイトパール

※スズキ ジムニーシエラ・ノマド カタログより引用
インド仕様のジムニーアルファとゼータの車体色は以下の7色です。キネティックイエローやグレーがある反面、アイボリーはありません。またブルーは日本とは色味が異なりそうですね。
- Kinetic Yellow + Bluish Black Roof(アルファのみ)
- Sizzling Red + Bluish Black Roof(アルファのみ)
- NEXA Blue
- Bluish Black
- Sizzling Red(ゼータのみ)
- Granite Grey
- Pearl Arctic White

※マルチ・スズキの販売店NEXAのカタログより引用
内装
インドは日本と同様に道路は左側通行で右ハンドルです。日本仕様のジムニーノマドFCとインド仕様のジムニーアルファとも、内装もほぼ一緒ですね。
ステアリングも本革巻きステアリングホイールでスイッチも左側(オーディオ操作など)も右側(クルーズコントロール)もほぼ同一と思われます。
以下のジムニーノマド FCはオートマ、ジムニーアルファはマニュアルという点とあえて言えばシートの材質が若干異なりそうですね。

※スズキ ジムニーシエラ・ノマド カタログより引用

※マルチ・スズキの販売店NEXAのカタログより引用
日本仕様のジムニーノマドFCは基本はオーディオレスで、ディーラーオプションでカーナビやディスプレーオーディオが搭載可能です。オーディオレスでも前後の4個のスピーカーは標準搭載です。
インド仕様のディスプレーオーディオとリアビューカメラが標準搭載です。スマホとはワイヤレスもしくは有線USBケーブルで接続してApple CarPlayとAndroid Autoが利用可能です。
ジムニーアルファには9インチIPS液晶のディスプレーオーディオ(SmartPlay Pro+)とフランスのアルカミス社製サラウンドシステムが標準搭載です。ゼータには7インチIPS液晶のディスプレーオーディオ(SmartPlay Pro)が標準搭載です。

※マルチ・スズキの販売店NEXAのカタログより引用
マルチスズキのSmartPlay Pro+とアルカミス社製サラウンドシステムの紹介動画を見ているとジムニーにジャストフィットする9インチディスプレーオーディオは日本でも標準装備して欲しいですね。
車体とエンジン
日本仕様のジムニーノマドFCとインド仕様のジムニーアルファとも車体はほぼ同一のはずですが、よく見るとちょっと差があります。
車体に関しては、全長と全高が5mm異なるのも車両重量が15kg異なるのも計測の基準がインドと日本で異なるのかもしれません。
日本仕様 ジムニーノマドFC | インド仕様 Jimny Alpha | インド仕様 Jimny Zeta | |
全長(mm) | 3,890 | 3,985 | 3,985 |
全幅(mm) | 1,645 | 1,645 | 1,645 |
全高(mm) | 1,725 | 1,720 | 1,720 |
ホイールベース(mm) | 2,590 | 2,590 | 2,590 |
トレッド(mm) | 前 1,395 後 1,405 | 前 1,395 後 1,405 | 前 1,395 後 1,405 |
最低地上高(mm) | 210 | 210 | 210 |
車両重量(kg) | 5MT 1,180 4AT 1,190 | 5MT 1,195 4AT 1,205 | 5MT 1,200 4AT 1,210 |
乗車定員(名) | 4 | 4 | 4 |
最小回転半径(m) | 5.7 | 5.7 | 5.7 |
エンジンは行程(ストローク)が0.1mm異なるためか、インド仕様の方が2cc排気量が多いです。
そして、最大出力と最大トルクも日本仕様よりもインド仕様の方が少し多いのは、排気量の問題ではなく、排ガス規制や騒音規制が理由なのでしょうかね。
日本仕様 ジムニーノマドFC | インド仕様 Jimny Alpha | インド仕様 Jimny Zeta | |
型式 | K15B | K15B | K15B |
種類 | 水冷4サイクル 直列4気筒 | 水冷4サイクル 直列4気筒 | 水冷4サイクル 直列4気筒 |
弁機構 | DOHC16バルブ 吸気VVT | 不明 | 不明 |
内径×行程(mm) | 74.0x84.9 | 74.0×85.0 | 74.0×85.0 |
総排気量(L) | 1.460 | 1.462 | 1.462 |
圧縮比 | 10.0 | 10.0 | 10.1 |
燃料供給装置 | EPI (電子制御燃料噴射) | Multipoint Injection | Multipoint Injection |
最大出力 (kW/rpm) | 75/6,000 [102PS/6,000] | 77.1/6,000 [104.8PS/6,000] | 77.1/6,000 [104.8PS/6,000] |
最大トルク (N・m/rpm) | 130/4,000 [13.3kgf・m/4,000] | 134.2/4,000 | 134.2/4,000 |
燃費消費率(km/L) | 5MT 14.9 4AT 13.6 *WLTCモード | 5MT 16.9 4AT 16.4 | 5MT 16.9 4AT 16.4 |
使用燃料 | 無縁レギュラーガソリン | ガソリン | ガソリン |
装備
日本仕様のジムニーノマドFCとインド仕様のジムニーアルファは目で見える装備はほとんど一緒です。前記のとおり、日本仕様のみLEDサイドターンランプ付ドアミラーとなっているくらいです。
エアコンやエアバック、イモビライザーなどの一般的な装備だけでなく、ブレーキLSDトラクションコントロール、ヒルホールドコントロール、ヒルディセントコントロールなどの装備も一緒です。シートヒーターは地域差のレベルですかね。
しかし、安全装備は日本仕様のジムニーノマドFCの方が勝るようです。
日本仕様 ジムニーノマドFC | インド仕様 Jimny Alpha | インド仕様 Jimny Zeta | |
デュアルカメラブレーキサポート | ○ | 不明 | 不明 |
先行車発進お知らせ機能 | ○ | 不明 | 不明 |
標識認識機能 | ○ | 不明 | 不明 |
アダプティブ クルーズ コントロール | ○(ATのみ) | 不明 | 不明 |
クルーズ コントロール | ○(MTのみ) | ○ | ○ |
⾞線逸脱警報機能 | ○ | 不明 | 不明 |
ふらつき警報機能 | ○ | 不明 | 不明 |
リヤパーキングセンサー | ○ | ○ | ○ |
後退時ブレーキサポート | ○(ATのみ) | 不明 | 不明 |
誤発進抑制機能 | ○(ATのみ) | 不明 | 不明 |
後方誤発進抑制機能 | ○(ATのみ) | 不明 | 不明 |
インド仕様はスピードアラートシステムが搭載されており、80km/hを超えると1分に2回の電子音が鳴り、120km/hを超えると連続的に電子音が鳴るそうです。その点はちょっと嫌ですね。
まとめ
総合的に比較すると、税抜き価格ならば日本仕様であるジムニー ノマド FCの方が安いくらいですが、デュアルカメラブレーキサポートなどの安全装備が充実している点は大きなポイントですね。
インド仕様の9インチのディスプレーオーディオ(SmartPlay Pro+)は日本でも搭載して欲しいと個人的には思っております。
ジムニーノマドの発売は2025年4月3日です。早く実車を見てみたいですね。
他の国のジムジーとの比較
こちらは、ジムニーノマドとオーストラリア仕様ジムニー5ドア(Jimny XL)の比較です。
よろしければ、是非ご覧ください。