これまで私の「タイヤ付き乗り物」といえば、バイク(YAMAHA FZ750)と自転車(YAMAHA PAS)だけ。空気入れも当然、手動式で十分でした。
ところが今年、新たにジムニーノマドが仲間入りしたことで、空気入れ事情にも変化が訪れました。
手動ではさすがに面倒…ということで、電動空気入れの導入を検討しました。
電動空気入れの選定ポイント
電動空気入れは沢山の商品がありどれを選んでよいか悩ましいですね。
私は検討にあたり、以下を選定ポイントとして探しました。
- 自動車、バイク、自転車で使用できること
自動車とバイクの場合は空気は補充程度と考えています。
自転車は英式バルブが使えればよく、空気が抜けた状態から空気が入れられること。 - 充電式など電源の無い場所でも使用できること
充電ケーブルはUSBケーブル(出来ればUSB-C)など汎用的な充電器が使用できること。
自動車1台分の空気の補充ができること。 - 海外製によくある「爆音タイプ」は避けたい
電動空気入れは深夜や早朝に使用する予定はありませんが、住宅地でも使用できる音量であること。 - 予算的には5千円~1万円以内ぐらい。
お財布に優しいことも重要なポイントです。
購入した電動空気入れ
上記の選定条件を満たすものを3点ピックアップしました。
いずれも、米式バルブ(自動車、バイク)、英式バルブ(自転車)、仏式(高級自転車)に加えボールや浮き輪に対応可能、収納ポーチ付きです。
私の個人的な評価は以下のとおりです。
[購入]BOSCH EasyPump
ドイツに本社を置く世界的な企業であるBOSCH(ボッシュ)の電動空気入れです。本製品は中国製ですが、BOSCHが企画設計した商品で、日本正規品ですので安心感は大きいです。空気充填のスピードはあまり早くない分、動作音が小さい点に惹かれました。
バッテリー電圧&容量:3.6V 3.0Ah
空気吐出量:10L/分
最大圧力:150PSI(≒1030kPa)
[次点]エーモン 電動エアポンプ 4872
自動車DIY好きはみんな知っているエーモンの電動空気入れです。
公式サイトによると、充填時間の資料あります。大型バイクで220kPa→250kPaの充填時間は約27秒となかなか早そうです。その反面、動作音が大きいのか分からなかったので、悩んだ末に次点としました。
バッテリー電圧&容量:7.4V 2.0Ah
空気吐出量:不明
最大圧力:500kPa
[3位]SMART AIR PUMP JP01
バイク用品メーカーのキジマの電動空気入れです。
空気の吐出量は、BOSCH EasyPumpの2倍です。各方面のレビューでも動作音が大きいと書かれている点が私の使用環境には合わないと判断しました。
動作音よりも空気吐出量を優先の方には、こちらはよい商品と思います。
バッテリー電圧&容量:7.4V 2.0Ah
空気吐出量:20L/分
最大圧力:150PSI(≒1030kPa)
BOSCH EasyPumpの詳細
こちらがBOSCH EasyPumpです。左側からEasyPump本体、充電ケーブル(充電器側:USB-A、EasyPomp側:USB-C)、ポーチ、取扱説明書(日本語、英語)、Country Warranty Instructionです。
EasyPump本体に取り付けられたホースは米式です。ホースは本体から取り外すことはできません。

EasyPump本体には、英式・仏式兼用アダプター(真鍮色)、ボール用ニードル(銀色)、浮き輪用アダプター(黒色プラスチック)が格納されています。

Country Warranty Instruction(国別保証説明書)には、日本語で「日本では当保証サービスは適用外です。また購入された国以外の保証制度を利用することはできません。」と記載されています。
Amazonのサイトでも保証内容「保証なし」と書かれてましたが、これはAmazonの記載ミスかと思っていました。日本正規品なのに日本国内では保証がないというのは残念です。

日本では当保証サービスは適用外です。また購入された国以外の保証制度を利用することはできません。と記載されている
EasyPump本体のボタンはとても分かりやすい配置です。
唯一補足説明するならば、単位切替えとLEDライトON/OFFのボタンです。普通に押すと単位切替え(bar、PSI、kPa)、長押しするとLEDライトのオンとオフの切り替えとなります。

充電用のUSB-Cコネクター部分です。
付属品の充電ケーブルではきちんと充電できますが、自宅にある複数のUSB-CケーブルのうちMacBookProに付属するUSB-Cケーブルなど何本かは充電に使用できませんでした。
EasyPumpのコネクター位置ががやや深いことが原因かもしれません。

BOSCH EasyPumpのホース先端は米式バルブにねじ込んで使用します。
クルマやバイクの英式バルブにホールの取り付けや取外しが容易にできるように閉鎖フローロックも併せて購入しました。
1個で十分ですが、2個入りで580円なので1個はスペアとしておきます。

BOSCH EasyPumpを使用してみる
BOSCH EasyPumpは届いた状態でも、バッテリーは4段階中の3段階まで充電されていました。
一旦フル充電して、自動車、バイク、自転車の空気を入れてみます。
自動車(スズキ ジムニーノマド)
ジムニーノマドのメーカー指定タイヤ空気圧は前輪後輪とも180kPaですが、一般道メインで走る場合はふらふらするので、前輪後輪とも200kPaとしています。

実際の空気補充を想定して、180kPaまで減圧してから空気を補充してみます。
180kPaから200kPaまでの空気補充に掛かる時間は約52秒でした。
180kPaから210kPaまでの空気補充に掛かる時間は約1分40秒でした。
空気を入れているときの動作音は、友人が使用している海外製品に比べて静かな感じがします。

実際に200kPaに設定して空気を補充した後、エーモンのエアゲージ(日常点検用)で確認したところ、ピタリと200kPaでした。
この結果から、日常点検レベルではEasyPumpの空気圧表示はある程度信頼しても良さそうです。
手軽さと精度のバランスが取れていて、普段使いには十分な性能だと感じました。

私が使用しているエアゲージはエーモンの6778です。
圧力の単位がkg/cm2からkPaが主流になったあと、このエアゲージを購入しました。シンプルで使いやすくてオススメですが、生産終了品なので入手できるのは今だけかもしれません。
バイク(YAMAHA FZ750)
私のFZ750のタイヤ空気圧は前輪後輪とも220kPaとしています。
実際の空気補充を想定して、後輪(160/60ZR18)を200kPaまで減圧してから空気を補充してみます。
200kPaから220kPaまでの空気補充に掛かる時間は約27秒でした。

実際に220kPaに設定して空気を補充した後、エーモンのエアゲージ(日常点検用)で確認したところ、ピタリと220kPaでした。
日常点検レベルではEasyPumpの空気圧表示はある程度信頼しても良さそうです。

自転車(YAMAHA PAS)
自転車は完全に空気を抜いたところから空気を入れてみます。
車輪の英式バルブに、EasyPumpに付属する英式・仏式兼用アダプター(真鍮色)を取付けます。

英式・仏式兼用アダプターは、閉鎖フローロックとの相性が悪く中々空気が入らなかったので、EasyPumpのホース先端の米式バルブと接続して、空気を充填しました。
完全に空気が抜けた状態から400kPaまで空気の充填に掛かる時間は約1分7秒でした。

BOSCH EasyPump レビュー
BOSCH EasyPumpで自動車、バイク、自転車の空気を実際に入れてみました。EasyPumpの感想をまとめると以下のとおりです。
EasyPumpの良い点
- 動作音が静か
空気を入れる際の動作音をスマホアプリで測定したところ、EasyPumpとスマホは30cm程度離した状態で最大65.5dBでした。日中に使用するのであれば騒音問題にはならなそうです。 - 小型軽量で持ち運びは便利
本体は430gなので、気軽に自動車の駐車場までもっていくことができます。
バイクでのツーリングの際にカバンに入れてもそれほど邪魔には感じません。 - コスパがよい
日本の大手オートバイウェア会社の製品としては、かなりお手頃な製品かと思います。その割にはプロテクターはCEレベル2を標準装備にするなどの配慮があります。さすがコミネと言える商品です。
EasyPumpの気になる点
- 日本国内では製品保証がない
世界的な企業であるBOSCHが日本国内で正規販売する製品に保証がないのは驚きました。
パッケージやCountry Warranty Instruction(国別保証説明書)には、中国や韓国での保障について書かれておりますので、より残念な気持ちです。
気になる点はあれど、動作はしっかりしていますので、定期的に使用して参ります。
使用していて気になる点などあれば、追記したいと思います。